圭秀の修行日記平成26年7月5日

仏前結婚式に随喜して

 7月5日(土)、桐葉寺(兵庫県朝来市山東町矢名瀬)にて仏前結婚式が挙行されました。 式の前には、長持歌に先導された白無垢姿の新婦が、ゆっくりゆっくりお寺の参道を進み、式が行われる本堂に入ります。 この時、花嫁行列を一目見ようと集まってきた多くの人たちから祝福の眼差しを受けながら、新婦の高揚感も次第次第に高まってゆく光景が見られます。 新婦が本堂に入ると、仏前結婚式は静まり返った厳かな堂内で始まりました。
 仏前結婚式の式次第については、各宗派や寺院の違いにより多少の違いはありますが、お馴染みでない方も多数おられると思いますので、下記に桐葉寺での流れを紹介させて頂きました。


来賓・親族着席
新郎新婦・媒酌人入堂
式師入堂(シキシニュウドウ)
開式の辞
献香三拝(ケンコウサンパイ) 式師がお香を献じ本尊に三度お拝をします。
啓白文奉読(ケイビャクモンホウドク) 式師が結婚の儀を執り行う旨を本尊に奉読し、新郎新婦の将来に幸あらんことを祈願します
洒水灌頂(シャスイカンチョウ) 式師が清らかなお水を新郎新婦の頭上に注ぎます。
寿珠授与 式師より夫婦(めおと)寿珠が渡されます
三帰礼文(サンキライモン) 三帰礼文を皆で唱えます
誓約文奉読(セイヤクモンホウドク) 新郎新婦が今日の喜びと、人生の門出に当たっての決意のほどを述べ、それぞれが誓約文に捺印をします
式師示訓(シキシジクン) 式師がお祝いの言葉を兼ねて、新郎新婦におさとしを述べます
盃事(サカズキゴト) 三三九度の盃や、両家の親戚固めの盃をとり行います
祝寿端坐(シュクジュタンザ) 新郎新婦の幸せを祈り皆で黙想をします
読経(般若心経) 摩訶般若波羅蜜多心経を唱えます
普回向(フエコウ)
普同三拝(フドウサンパイ) 最後に式師が本尊に三度お拝をします
閉式の辞
式師退堂(シキシタイドウ)


 私は、この度の仏前結婚式で法要解説や進行の世話をさせて頂きましたが、ご縁ということについて考えることがありました。 青森県出身の私は、仕事の場を東日本を中心として、お寺とは全く関係のないサラリーマン生活をしていましたが、出家することを決意してから半年間の師匠探しの後、永源寺で出家をしました。  そして、今は住職としてつとめさせて頂いております。 私は過去のことを振り返る時、有難い仏縁を頂き、師匠をはじめとする多くの人たちに支えられて今の自分があると感謝しています。

 私は、このことが結婚式においても然りだと思いました。 人生は不思議な縁のめぐり合わせ、まして多くの人の中で夫婦の契りを結ぶことは深い御仏のお導きがあったればこそと思いました。 御仏の慈しみの光に照らされてお二人がいつまでも仲睦まじく共に歩まれますことをお祈り申し上げます。 そして、多くの人が仏様を信じ、仏縁を深められることを願い続けてゆきます。

戻る