圭秀の修行日記平成26年1月11日

身も心も清く正しく
 

 寺院にとって大晦日から元日にかけては一年で一番忙しい時期です。 永源寺にとってもこのことは然りです。 除夜の鐘つき行事が深夜2時頃終わり、引き続き朝のおつとめや、檀信徒への家門繁栄などを祈る御祈祷を終えた元旦の明け方、檀信徒の初詣のお参りが始まります。

 檀信徒の皆さんはお参りされると、先ず本堂で御本尊(お釈迦様)にご挨拶し、その後、位牌堂に行ってご先祖様に新年の挨拶をして、再び本堂にて私と年始の挨拶を交わします。 このことは、永源寺では以前から行われている年初めの行事となっています。 今年は元旦の午前中だけで2百名以上のお参りがありましたが、4時間以上の間、正座をしながら皆さんと新年の挨拶を交わしていると、正座には慣れているとはいえ最後には足の痛さで立ち上がれなくなるくらいでした。

 身心一如(シンジンイチニョ)という言葉がありますが、肉体と精神と一体不二であることを意味します。 お祖師様は「左に側(ソバダ)たず、右に傾(カタブ)かず、前に躬(クグマ)らず、後ろに仰(アオ)がず真っ直ぐに坐る、正身端坐(ショウシンタンザ)して真っ直ぐに坐ると心も真っ直ぐになる。 真っ直ぐに坐ると心が整う、心が整ってくると他人の幸せまでもが自分の幸せのように感じられてくる。」と、説かれました。

 「礼儀とは型、儀式とは伝統に基づいた型」であるということを聞いたことがあります。 お参りされた家族の人数に関わらず一軒一軒挨拶を交わすためにどうしても待ち時間が長くなります。 檀信徒の皆さんも、私と新年の挨拶を交わすために正座をしながら長い列を作って、1時間以上も待っておられました。 きっと足が痛くなってしまった方がおられたと思います。 しかし、そのような状況でも新しい年を迎えるに当たり、昔から受け継がれてきた伝統に基づきながら型を重んじ、身も心も清らかにして挨拶を交わすという檀信徒の皆さんの姿には敬服を覚えます。 それと同時に、内心自らを反省しつつ、礼儀の大切さを再認識させられたお正月でした。



元旦の本堂の様子

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