圭秀の修行日記2011/05/10

可漏(カロ)を折って

 先日、私はご法事の時に使用する可漏を久しぶりに折りました。 可漏には本可漏と略可漏があり、奉書を使って作ります。私自身、既製の可漏を使うことが多く、最近では自ら折ることはほとんどありませんでした。

 久しぶりの可漏作りだったので、出来上がった大きさはまちまちでした。 しかし不思議なことですが、一枚一枚心を込めて折るうちに、この包みは仏様にお供えさせていただくものという気持ちが私の心の中で強くなっていったのです。 このことは、常日頃、既製の可漏を使うことに慣れていたために気付かなかったことでした。 久しぶりの可漏作りを通して法事への心構えを見直すことができました。

 当山24世岸沢惟安大和尚は、ご法事の際にお預かりしたお布施を供え終った後、その奉書を捨てずに貯めておき、その紙で習字を練習されたと聞いています。
 今後のおつとめにおいて、可漏についてはお供えさせていただくという気持ちを大切にするのは勿論ですが、お預かりしたお布施についても、供養の施主をはじめとする皆様方の仏様に対する想いを無駄にしないよう、心がけながらつとめてゆこうと思いました。

 

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