圭秀の修行日記2006/02/01

大雪で一苦労

 今年は日本各地で記録的な降雪に見舞われ、雪に関するニュースが毎日のように耳に入ってきます。 その状況は、永源寺においても例外ではありませんでした。 特に年末年始は、各伽藍の屋根には太くて長い氷柱が下がり、また屋根の雪が瓦を滑り落ちる時は、ゴロゴロという音が境内に鳴り響きました。 私が境内の雪かきをし、同安居(ドウアンゴ ※1)の愛犬パティが喜んで雪を駆け回る中、ふと昨年末カメムシを多く目にしたことを思い出しました。 カメムシが多く出現すると、その年の冬は大雪になるといういわれがあるからです。 雪かきをしてもまた降り積もる雪・・・ その雪を見ながら、青森市在住時に自宅の前の雪を近くの川に捨てに行き、屋根の雪下ろしをしたことを思い出しました。

 毎日のお勤めに加え、年末は大掃除からお正月の準備等をさせていただきましたが、この雪のために、予定が計画通りにゆかないのではないかと懸念する時もありました。 しかし、檀家さんや近隣の方々の手助けによりどうにかお正月を乗り切ることができました。

 境内の敷地すべての雪かきとなると肉体的に限界があり、参道や駐車場は人ひとり通れる幅で雪かきをするのが精一杯でした。 しかし、そのような時に総代様始め檀家さんがお寺の雪のことを気にしてくださり、手伝ってくださったのです。 お寺を支えてくださる皆様の暖かいお心に感謝いたしました。

 大晦日と元旦の両日が好天だったので、ほっとしました。 永源寺では、除夜の鐘に来られた方に、鐘楼堂の写真を印刷したはがき(108枚)をお配りしています。 午後11時30分より撞き始めましたが、元日午前1時過ぎには最後の鐘を撞き終え、カードはすべてなくなりました。 元旦も、新年にふさわしい輝かしい朝陽が本堂を照らす中、多くの参拝者がお参りにこられました。 本堂にてご本尊様にご挨拶(合掌一礼)、位牌堂にてご先祖様にご挨拶、そして方丈様(御住職)にご挨拶・・・ 参拝者の各伽藍を移動する列は途切れませんでした。

 大晦日から元日の午前中にかけては、眠る暇がないほどお寺にとって忙しい時ですが、好天により雪掻きの心配がなくなったため、心にゆとりを持つことができました。 私は毎年、元日の午後には疲れきってしまいます。 今年もその状況は変わりませんでしたが、多くの方と年始の挨拶を重ねることで、気持ち新たに精進を積み重ねようという自覚が強まりました。

 年末年始にかけて例年より寒かったのでしょうか?  年末に二斗のもち米をついて数多くの鏡餅を作りましたが、1月11日の鏡開きの際、下ろしたお餅にはカビがついていませんでした。 そのお餅を希望される方々にも分け、自分でついたお餅の味を噛みしめながら、美味しくいただきました。

 今年の記録的な大雪は、私たちに自然の力の恐ろしさを教えてくれました。 自分が大自然の中にいることを自覚し、その営みと共に今年も歩んでゆこうと思います。
 最後になりましたが、雪による事故のため亡くなられた方のご冥福を祈り、被災された方が再建に励まれますようお祈りいたします。

※1:圭秀とパティは、平成13年6月に永源寺に上山し修行を続けています。


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