圭秀の修行日記2005/07/01
緑陰禅の集いを終えて
6月25,26日の2日間、智源寺において「緑陰禅の集い」が開催されました。 この集いは、京都府の曹洞宗青年会が主催する1泊2日の坐禅会で、様々な方に坐禅に親しんでもらうため、毎年この時期に智源寺で開催されています。 今年で43回目となる歴史ある坐禅会です。 坐禅未経験者は勿論のこと、ご夫婦や家族づれといったさまざまな世代の方が参加して静かなひとときを過ごしました。
日程は、次の通りです。
1日目(6月25日) | 2日目(6月26日) | ||
13:00 | 受付 | 4:00 | 振鈴(起床) |
13:30 | 開講式 | 4:20 | 坐禅C(暁天坐禅・坐禅中口宣) |
14:00 | 坐禅@(入堂の拝、坐禅指導) | 5:20 | 朝課(朝のおつとめ) |
15:00 | 坐禅A | 6:30 | 小食(朝食) |
15:50 | 記念写真 | 7:30 | 作務(掃除) |
16:20 | 晩課(晩のおつとめ) | 9:00 | 坐禅D |
17:10 | 薬石(夕食・食事作法) | 10:00 | 写仏 |
18:30 | 胡弓演奏会 | 11:00 | 坐禅E |
19:10 | 坐禅B(夜坐) | 12:00 | 閉講式 |
20:00 | 入浴(天橋立温泉) | 13:00 | 中食(昼食) |
21:00 | 開枕(就寝) | 解散 |
合計6回の坐禅の時間がありましたが、その都度、青年会の皆様が初心者を中心に懇切丁寧に作法等を指導され、坐禅未経験者もすぐにきれいな坐相(ザソウ※1)で坐っていました。 参加者の皆さんが背筋をピンと伸ばし、額に汗を浮かべながら坐っている姿を見て、坐禅に対する意気込みを感じました。
緑陰禅の集いには、坐禅以外にも様々な時間がありましたが、特に印象に残ったことは初日の夜に行われた二胡(ニコ※2)演奏会でした。 京都府在住の二胡奏者、チェン・マンリー先生をお迎えし、その音色を聞かせていただきましたが、一同すっかり聞き入ってしまったからです。
先生は私たちに馴染みのある曲を10曲近く演奏してくださいました。 その中には、先生が愛知万博にて演奏されたシルクロード(テレビ番組)のテーマ曲や、現在中国でもよく歌われている沖縄の歌「花」、中国で有名な歌「ツバメになりたい」、日本の名曲「荒城の月」などがありました。
私は演奏が始まる前、二弦しか持たないこの楽器でどのように ♪ドレミ〜♪ が作られるのか、あれこれ考えていました。 しかし演奏会が進むにつれ、徐々にその音色に引き寄せられ、その疑問はいつの間にか消え去っていました。 そして最後に、日本の名曲「ふるさと」を参加者全員で演奏にあわせて歌う頃には、すっかり二胡の虜となっていたのです。 演奏会が終わってもその余韻は境内を包み、参加者は口々に「機会があればまた聞いてみたい」と語り合っていました。
2日間があっという間に過ぎ、緑陰禅の集いは予定通り無事に終了いたしました。 参加者は、行事に真剣に取り組んだという達成感に浸りながら、智源寺を後にしてゆきました。 今年は外国人参加者もおり、坐禅への関心は世界にも広がっていることを感じさせられました。 世の中のグローバル化が進んでいる現代、日本のみならず世界中の人々が坐禅に親しんでほしいと思いました。
智源寺堂長様をはじめ、京都府曹洞宗青年会の関係各位、そして参加者の皆様お疲れ様でした。
(備考)
※1:坐禅の姿態
※2:清朝の中頃より起こった中国の弦楽器で、四弦を有する四胡に対して二弦のものです。胡弓と同様に唐木の円筒形の胴の前面に蛇皮を張り、中央に立てた竹の柄の上部に馬の尻尾の2本の転手を設け二弦を張ったもの。