2004/12/15

カメムシは何処へ

 今年の暮れの大掃除は、智源寺との兼ね合いもあり、例年よりも1週間早い12月13日から始めました。 特に時間のかかる開山堂、位牌堂、本堂、坐禅堂、円通閣等の各伽藍を、手伝いにきていただいた方々と一緒に掃除させていただきました。 仏像の御身拭いや天井の煤払いなど、日頃手の届かない場所の垢を落とすにつれ、お堂がスキッとして明るくなり、同時に私たちの心も晴々としました。 今年は運良く晴天続きで、座布団を十分に干すことができ、天候にも恵まれた大掃除でした。

 今回の掃除で一番印象に残ったのは、カメムシがいなくなったということです。 例年ですと座布団と座布団の隙間や、窓枠の隅にかたまって、越冬に備えるカメムシをよく見かけましたが、今年はほとんどいませんでした。 3日間で見かけたのは数匹のみでした。 その代わり目に付いたのは、天道虫でした。 建物の隙間に一列に並んで冬篭りをしている天道虫が、坐禅堂だけで百匹ほどいたのには驚かされてしまいました。

 以前は体をぶるぶると震わせながら、かじかんだ手で掃除していました。 今年は例年よりも気温の高い日が多く、ぽかぽか陽気の中で掃除させていただき、天候には感謝いたしました。 また、カメムシはくさい匂いをだすためネックとなっていましたが、今年はその激減により掃除はスムーズに進みました。
 冬篭りする虫の種類が変わってきている状況を目の当たりにして、地球環境が着実に変化しているなあと痛感した大掃除でした。


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