2004/08/16

初めての蓮取り

 8月1日の夜施餓鬼から24日の水子地蔵法会まで、今年のお盆も多忙の日々でした。 とりわけ今年は記録的な猛暑でしたので、忙しさプラス暑さのためにくたくたの夏でした。 その中で特に印象に残ったのは蓮取りです。 ここ数年、永源寺では山門施餓鬼会の行われる15日の早朝、本尊様へお供えする蓮を取りに行くのがならわしとなっています。 

 蓮池には大小さまざまな大きさの蓮が咲いていました。 赤い花、白い花・・・とてもきれいな花ばかりです。 しかし、蓮池に足を一歩踏み入れると、池の泥がぬかるんで体の重心を失いそうになる程でした。 その中を蓮を生けて下さる檀家さんはゆっくりと進みながら、茎が折れないよう、一本一本大切に切り取っていました。

 私が驚いたのはその後でした。 なぜなら、その檀家さんが小さなポンプで、切り口から葉の表面に向かって、薬剤入りの水を注入しているではありませんか! そしてさらに驚いたことに、その注入された水が、大きく開いた葉の表面のあちらこちらから小さな水しぶきとなって噴出しているのでした。 檀家さんは「このように水を注入すると、蓮が長持ちするのです」と、教えて下さいました。

 すぐにしおれてしまう蓮を少しでも長くお供えするために、毎年このようなことをされていたのです。 そして、深い泥の中にまで足を踏み入れ、大きく綺麗な蓮を取ってくださった小谷さんに感謝致しました。 お陰さまで法要も無事に終えることができました。 ひとつの法要を成功させるために、皆様方のお力添えがあることを改めて知り、その恩を無駄にしないようがんばろうと思いました。


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