2002/11/01

 新築庫裏落慶式・永源寺26世十三回忌法要を終えて

 10月26日、この日は永源寺にとって節目の日となりました。 なぜなら新築庫裏落慶式・永源寺26世十三回忌法要・檀信徒総回向の法要を執り行ったからです。
 9時30分、大梵鐘(オオボンショウ:鐘楼堂の鐘)の打ち出しを合図に、梅花講員のお唱えと共に稚児行列が八鹿小学校を出発しました。 梅花講員を先頭に綺麗に着飾ったお稚児さん、護持会関係者、方丈様の順序で、行列は町内をゆっくりと進んでゆきました。 お稚児さんだけでも110名以上参加した行列は、保護者の皆さんも含めると総勢400名以上にのぼり、道路はまさに歩行者天国さながらの賑わいだったそうです。 その時私は鐘楼堂の鐘をついていたのですが、参道を登ってくる行列の風景を見ていると、その迫力に圧倒されてしまいました。
 お稚児さんは到着すると、教区内の御寺院様に洒水(シャスイ)を受け、記念のお餅やお菓子、お守りを頂戴しました。 お唱えを続けていた梅花講員の皆さんは、さすがに疲れていたようでした。 それでも落慶法要の始まる20分前には、全員が無事お寺に到着いたしました。

 10時30分、随喜寺院、梅花講員、檀家の皆様が本堂に参列する中、「正行御和讃(ショウギョウゴワサン)」のお唱えで庫裏落慶法要は始まりました。 まず導師である方丈様が入堂の後、拈香法語(ネンコウホウゴ)を読まれました。 「花供養御和讃(ハナクヨウゴワサン)」のお唱えと共に献供(ケング:お供え)をし、「般若心経(ハンニャシンギョウ)」「慶祝御和讃(ケイシュクゴワサン)」をお唱えしました。 その後、方丈様、護持会会長様からのご挨拶、建設部長様から工事報告があり、教区長様からご祝辞をいただき、最後に業者の方へ会長様から感謝状が贈呈され、無事に法要は終りました。

 11時30分、永源寺26世13回忌法要が、本寺である豊岡市の養源寺御住職を導師として執り行われました。 七下鐘導師上殿(シチゲショウドウシジョウデン)の後、「法灯御詠歌(ホウトウゴエイカ)」のお唱えと共に献供をしました。 導師様香語奉読の後、「参同契(サンドウカイ)」「宝鏡三昧(ホウキョウザンマイ)」「学道御和讃(ガクドウゴワサン)」をお唱えし、三拝して法要は終りました。

 12時からは庫裏建築寄付者各家先祖代々総回向の法要を執り行いました。 方丈様を導師に「妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈(ミョウホウレンゲキョウカンゼオンボサツフモンボンゲ)」「報恩供養御和讃(ホウオンクヨウゴワサン)」のお唱えをしました。

 今回の法要を行うにあたり、各地から23名の御寺院様に来ていただきました。 随喜していただき、本当に感謝いたしております。 有難うございました。 また、この日のために幾度となく打ち合わせを続けられた護持会関係者及び檀信徒の皆様、ごくろうさまでした。 天候にも恵まれ無事に法要を終えることができたのも皆様のお陰だと思っています。 お疲れ様でした。

 私は去年の6月に上山し、引越し引越しの毎日の中 7月末に得度式を行っていただき、僧侶として全てがままならないまま、10月の起工式、12月の上棟式を終え、今年7月の庫裏見学会、今回の落慶法要と、微力ながらも庫裏建築に携わってまいりました。 はじめの頃は慣れないお寺での生活に加え、庫裏建築の手伝いで身も心も疲れ果ててしまうことが度々ありましたが、何とか落慶法要にたどり着くことができました。 建設期間中、私は本堂で休ませていただいたのですが、いつの間にか体長10cmほどのムカデと寝ていたり、冬の寒い時期に何枚も着込んで寒さをしのいだことが、今となっては遠い昔のことのように思い出されます。 庫裏建築というめったにないことに出会い、よい経験をさせていただいたと思っています。 おかげさまで伽藍建築に関する一通りの流れを知ることができました。 将来、同じようなご縁に恵まれた時には、今回の記憶を呼び戻し皆様の力となれるようがんばろうと思いました。

 稚児行列では、多くの保護者の方々がビデオを片手に我が子の姿を撮影していました。 参加したお稚児さんが何年か後、自分の姿をビデオで見て、今回の法要のことを思い出してほしいと思いました。

庫裏落慶記念作品「ウスサマ明王」

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