2002/10/01
坐禅について
「圭秀さんはどうして坐禅をするの?」
今年の春、ある方に突然このような質問をされました。
永源寺は禅宗なので、坐禅は常日頃行っているのですが、改めてこのような質問を受け、私は返答に困惑してしまいました。 なぜかというと、今まで坐禅をする理由などといったことを深く考えなかったからです。 その日から私は、この質問に対する自分なりの答えを探していました。
私が坐禅を始めたのは今から2年前、つまり出家する1年前のことです。 妙な話ですが、ポーランド人のお坊さん(曹洞宗僧侶)に坐禅の仕方を教えてもらったのがきっかけです。 生まれて初めての坐禅にすぐ足が痛くなり、10分と坐れなかったことを今でも憶えています。 しかしその後も足を組替えながら坐禅をしているうちに足の痛みもやわらぎ、徐々に長時間坐れるようになりました。 そして半年後には、半跏趺坐(ハンカフザ)から結跏趺坐(ケッカフザ)へ移行できるようになりました。 始めた当初から坐禅に対する抵抗はあまりなかったのですが、今振り返ると、いつの間にか坐禅の世界へ引き込まれてしまったような気がします。
改めて坐禅をする理由を春から考えていたものの、結局のところ半年経っても答えは見つかりませんでした。
禅僧だから坐るのか?
悟りたいから坐るのか?
何のために坐るのか?
なぜか知らぬがただただ坐り
時間があればただただ坐る
どうして坐るかわからない
坐禅の姿は仏の姿
そんなことをよく聞くけれど
実際私はわからない
これからもず〜と坐るだろうが
一坐一坐を大切に
眠らぬように勤めてゆこう
本堂横を流れる小川にすむカニ