2002/06/23

 小学生の永源寺見学会    

 6月17日(月)よく晴れた日、お寺の周辺に住んでいる八鹿(ヨウカ)小学校2年生9名が、保護者の皆さんと一緒にお寺にやってきました。 自分たちの町探検ということで見学にきたのです。 この小学生の皆さんは昨年の花祭りの時に参拝しているので、永源寺への訪問は全く初めてではなかったのですが、今回はより詳しくお寺を知るためにやってきたのでした。

 先ず、2年生たちは 「おはようございます」 と元気よく挨拶をした後で一人ずつ、素朴な疑問を方丈様(ご住職)に質問しました。
 「お寺には何人いるのですか?」 「お寺の中は広いですか?」 といった質問から 「どうしてお寺の人には髪の毛がないのですか?」 「去年の4月からお葬式は何回ありましたか?」 といったシビアな質問まで投げかけてきました。 終いに、ある児童の口から 「お寺の人はずっと起きているのですか?」 という質問が出された時には、方丈様の横にいた私もまいってしまいました。 しかし、方丈様はそれぞれの質問に親身になって返答され、児童たちも真剣な眼差しでノートにメモを取っていました。

 質疑応答が終わると、今度は私が本堂と位牌堂を案内しました。 本堂に入ると昨年の花祭りの記憶がよみがえったのか、「ここに来たことある」 という児童もいましたので、それぞれのお堂の簡単な説明をした後、自由に見学をさせました。 児童たちは須弥壇(シュミダン:本堂中央にある仏像などを安置する壇)や欄間、坐褥(ザニク:本堂正面中央におき、導師が礼拝する時に用いる蒲団)に興味を示し、デジタルカメラで写真を撮っていました。 また、読経に使用するケイスや木魚の音を鳴らしてあげた時は、予想以上の音の大きさに生徒のみならず保護者の方までも驚いていました。

 本堂と位牌堂の案内が大体終了した後で、児童の口から次のような要望が出てきました。 「坐禅をしてみたい」 といい始めたのです。 そこで私たちは坐禅堂へ移動しました。 「坐禅堂の中では音を立ててはいけないのです。」 という私の忠告に児童たちは黙ってうなずき、静かに見学しました。 そして、2〜3分間坐禅の説明をした後で4名の男子生徒が実際に坐禅を行いました。 坐禅初体験ということで、はじめのうちはうまく足を組むことが出来ない様子でしたが、徐々にきれいな坐相(ザソウ:坐禅の姿態)になり数分間の坐禅を必死に勤めていました。

 坐禅終了後、私たちは再び本堂に戻りました。 そこで児童たちはノート片手に今回の見学のおさらいをし、取り残した場所の写真撮影をしました。 その頃には緊張気味だった児童たちも、すっかりお寺の雰囲気に溶け込んでいました。 花祭りで飲んだ甘茶の味が忘れられなかったのか、「甘茶を飲ませてほしい」とお願いする児童もいるほどでした。

 いよいよお寺の中を探検し始めた児童たちでしたが、時間がかなり経っていたので、最後に庫裏にすえつけられた龍の彫り物を見て、1時間半の見学会を終了しました。

 今回の見学会で、児童たちに驚かされることが多々ありました。 お寺についての質問をする時に意外なことを尋ねてみたり、自ら坐禅をしてみたいと発言するなど、発想の豊かさとチャレンジ精神は見習わなければならないと思いました。 また、2〜3分の坐禅説明にもかかわらず、どのような姿勢で坐るのかすぐに体得してしまった飲み込みの早さにも驚かされてしまいました。 今回の見学でお寺というところはどのようなところなのか、どのようなことをしているのか、少しでもわかってくれたら嬉しいと思っています。

 庫裏が完成した後、龍の彫り物を写生するために大勢の小学生の皆さんがお寺にやってくるそうです。 お寺がにぎやかになるなあと思う圭秀でした。


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