上山者(参禅者)の声

 永源寺の生活は、坐禅や読経などの他、境内の掃除や、典座寮(台所)における日常のおつとめをはじめ、時には托鉢をしたり、裏山の草木を切って生け花をしたり、法語作成のために漢字(平仄や韻)を学んだり、習字の練習をしたり、お袈裟の把針(縫うこと)をしたりと、季節に応じて様々です。 大自然に囲まれた環境に加え、地域の人々と共に行持(ぎょうじ:行は修行、持は護持・継続の意)をつとめている永源寺には、時々、参禅希望や修行希望の方が来られますが、その方々にこの寺についての感想文を書いていただきました。 どうぞ御一読下さい。




初めての夜施餓鬼   Z寺徒弟 Y・I

 八月一日から六日まで、夜施餓鬼法要に随喜させていただきました。私は、平成三十年の二月まで福井県にある僧堂におりました。そこの僧堂では、各寺院様がやられるような施餓鬼法要ではなく、開山忌という法要に合わせてやっておりました。上山した当時から下山するまで、山内では自分が最年少ということもあったのか、法堂係(法要に随喜する)の方ではなく、主に直歳寮(作務中心)に配属されていたので、施餓鬼法要が何時に始まるのか、どのように進行してゆくのか分かりませんでした。上山して何年か経った頃に師寮寺の施餓鬼法要に初めて随喜させていただいた時、各寺院の方丈様方が懇切丁寧にご教示下さいました。ただ随喜させて頂いた回数が少ないせいか、今現在でも失敗してはいけないと強く思っているので、冷や汗が止まりません。師寮寺の施餓鬼法要に随喜させて頂いてもこの状況なので、初めて永源寺さんの夜施餓鬼に随喜させて頂くと決まった時は緊張しました。初めての他の寺院様への随喜ということで、一日目は、緊張の連続で頭の中は真っ白。二日目から五日目までは大混乱。最終日は終わった後、緊張がとけて疲れがでました。しかし、ある程度の時間が経ってからの程よい緊張感は、大変有難いところもありました。連日の猛暑で暖められた空気の中、夜ということと扇風機があったお陰で、普段木陰で感じる風よりも涼しくて心地よく読経できました。
 これから、どんどん随喜させていただく回数も多くなってゆくと思いますが、まだ自分に至らない点が多くご迷惑をおかけしますが、今後とも宜しくお願い致します。